以前、「無口の部下にどう接したら良いのか?」という記事を書きましたが、一方で、「話の長い部下にどう接したら良いのか?」という悩みを持つリーダーも少なくないようです。
今回は、「話の長い部下」にどのように接したら良いのかについて、ご紹介したいと思います。
対処法の前に、部下の話がなぜ長くなるのか考えてみましょう。
一般的には、部下側に次のような理由があることが挙げられます。
上記以外では、「上司を信頼しているから」や「上司が聴き上手だから」ということも挙げられます。
そのような場合は、上司と部下の間に信頼関係の基盤が構築されていると考えられますので、下記のような方法で、信頼関係をさらに深化させていただきたいと思います。
対処法については、重要か重要ではないか・時間があるかないか、に分けて考えてみます。(重要か重要ではないかは、上司の視点と部下の視点の両面で考える必要があります。)
また、延々と話し続ける部下に対して、一時的に話を中断させるには、次のような方法があります。
相手の呼吸をよく確認し、息継ぎをするタイミングで、「ちょっといいかな?」「ちょっと待ってくれる?」などと投げかけます。その上で、状況に合わせて、以下のように続けます。
「信頼関係の基本は聴き方にある」と言っても過言ではありません。
たとえ、時間がなかったり、部下の話が長かったり、部下が話上手ではなかったとしても、対応の仕方を誤ると、信頼関係に影響がおよび、業務に支障を来すことになります。
部下の話を聴く際には、以下のようなことに注意が必要です。
また、話の終わりに以下のような言葉を付け加えることで、より一層深い信頼関係を築くことができるでしょう。
今回は、「話の長い部下」にどのように接したら良いかについて書きましたが、部下の話が長くならないようにするには、「持ち時間を伝える」ことが有効です。
また、「相手の考えの整理を促す」場合は、5W1Hなどの質問を投げかけてみることも有効ですが、部下の話す力を高めるには、「5W1H」の他、「PREP法」を活用したトークトレーニングも役立つでしょう。
リーダーはスケジュールが過密になることが多いと思いますが、上記を参考にしていただき、部下との信頼関係を深めていただければ幸いです。
2020年1月21日 更新:一部の表現を変更しました。
林 英利
JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)代表理事。大和ハウス工業(株)、トヨタ自動車(株)などを経て、プロコーチ・研修講師として独立。2015年より銀座コーチングスクール代表。国際コーチ連盟(ICF)日本支部 顧問