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新入社員にコーチングは有効か?
当ブログでは、組織内の研修・人材育成担当者の方、管理職やリーダーの方々に役立つ情報を発信しています。組織改革、管理職育成、リーダ研修、人材開発、リーダーシップ開発、ビジネスコミュニケーションなどのご参考になれば幸いです。JRLAの理事3名が執筆を担当しています(月:林、水:向川、金:大石)。
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新入社員にコーチングは有効か?
リーダーの持つべきコミュニケーションスキルとは?
企業向けの管理職研修やリーダーシップ研修等でコーチングを説明する場合、最初に「コーチングの基礎知識」として、以下のようなステップを踏んでいます。
◆コーチングの基礎知識
1)リーダーの持つべきコミュニケーションスキル
2)コーチングが使用される場面
3)コーチングのしくみ
4)コーチングの3原則
これらの詳細をひとつひとつ説明することは、本日のテーマから逸れてしまうのでしませんが、ここでは、テーマに紐づく内容として、1)についてお話したいと思います。
1)の「リーダーが持つべきコミュニケーションスキル」では、リーダーは部下に対して大きく3つの関わり方があることをお話しています。具体的には、以下のようなスキルです。
◆カウンセリング
精神心理的な悩みを抱えた人を対象とした相談援助であり、気持ちを整理することを重視するアプローチ
◆コーチング
精神心理的に健全な人の目標達成や能力発揮を支援し、将来どうありたいかを重視するアプローチ
◆ティーチング
目標達成や問題解決のために、対象者に知識やスキル、ノウハウ等を一方的に提供する(教える)こと
カウンセリングやコーチングは現場でどのように使用されるのか?
ここで、これらのスキルの使われ方と、現場の上司と部下との関係性を見てみます。
上図を見ると、カウンセリングは、上司は部下に対してお悩み相談役として関わることが多いため、対象者の成熟度(≒仕事に対する習熟度)に関わらず一定の需要があると言えます。一方、コーチングは、本人が答えを出すためのリソースを備えていることにより、自ら答えを出しやすくなるため、対象者が成熟していればいるほど需要があると言えます。
つまり、一見、部下育成に効果的だと言われるコーチングも、どんな時にも効果的であるというわけではなく、対象者の成熟度によって効果が左右されるということが言えそうです。
また、時々、経営者様や人事担当者様から、「当社の新人たちをコーチングしてほしい。」という要望をいただくことがありますが、おそらくその人達はコーチングの本来の意味を履き違えているように思います。コーチングの本来の意味に立ち戻れば、新人たちに適切なのは、「コーチング」よりもむしろ「ティーチング」ということになります。ティーチングは、教える側(上司/先輩など)が経験・実績を積んでいればできることなので、ためらうことなく積極的に提供してあげれば良いのです。
「新入社員にコーチングは有効か?」をあらためて考えてみる
ここまでの話から、「新入社員にコーチングは有効ではない」という結論が出て来そうですが、もしもあなたの部下が、若い段階から「ティーチング」だけでなく「コーチング」も受けることができたら、部下の成長はどうなると思いますか?
おそらく、目標達成や問題解決のために「自ら考えて動く」思考習慣が身につけられ、成長の角度がアップするのではないでしょうか。
したがって、「新入社員にコーチングは有効か?」というテーマの解としては、(対象者の成熟度にもよりますが)「ティーチング:コーチング=7:3程度の割合で、コーチングはあった方が良い」ということが言えそうです。
大石 典史
東証一部上場企業2社を含む4社で法人営業、コンサルタント職、人事総務等を経験。現在は、銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表、研修講師、パーソナルコーチを務める。国際コーチ連盟(ICF) 認定コーチ(ACC)。