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リーダーシップ開発とビジネススキルの関係

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リーダーシップ開発とビジネススキルの関係

🕙 2019-10-09 06:00 👤 向川 敏秀

研修担当者の悩み


「次世代リーダーの育成を強化せよ」

上層部から、このような指示を受けながら、

なかなかリーダーが育成されない、

リーダーシップを発揮する人材が増えない

という話を伺います。


「リーダーなんて気質に寄るから、研修で身に付くなんて」

しまいにはこのようなボヤキも伺います。

リーダーは本当に研修では育たないのでしょうか?


理論とスキル

ここで、「理論」と「スキル」の決定的な違いをお伝えしておきましょう。

ロジカルシンキングやプレゼンテーションは、ビジネススキルです。

したがって、その仕組みを理解し、使い方や方法論を学べば、

翌日からでも成果は現れます。


しかし、リーダーシップは理論なのです。

ビジネススキルではありません。

ここを勘違いしてはいけません。


理論なので、学べば理解はできる。

しかし、いざ活用しようとしても、具体的な方法論が無いので、

そう簡単には発揮できません。


リーダーシップ理論の第一人者

リーダーシップ理論の第一人者といえば、

ジョン・P・コッター教授が有名ですが、

日本にも有名な学者がいらしたことをご存知ですが?


三隅 二不二(みすみ じゅうじ)

元九州大学教授、大阪大学名誉教授。


三隅教授の有名な理論に「PM理論」があります。

理想的なリーダーは「目標達成」と「集団維持」の両方を満たす



組織を発展させる行動として、

P(Performance:目標達成)行動とM(Maintenance:集団維持)行動があり、

それぞれに高い行動がPM型という理想的なリーダーシップスタイルであり、

PM型の行動を起こすことによって、

集団・フォロワーの職務満足度や生産性等に好影響をもたらす

ということです。


この理論は、集団(組織)とリーダーシップの発揮の関係が分かりやすい

として世界的に有名な理論なんです。


ただし、あくまでも理論。


では、

目標達成行動として具体的にどのようなスキルを習得すれば良いのか?

集団維持行動として具体的にどのようなスキルを習得すれば良いのか?

具体的なスキルは論述されていないのです。


P行動・M行動に必要なスキルがビジネススキル

実際には、目標達成行動として、

・ビジョンを描く力

・戦略思考力

・伝える力(プレゼンテーション力)

があり、


集団維持行動として、

・コーチング

・1on1ミーティング運営力

・ファシリテーション力

・チームビルディング力

・ネゴシエーション力

が必要です。


だから、ビジネススキルとして、企業研修で多々実施されている訳ですね。


あくまでも目的は、

集団・フォロワーの職務満足度や生産性等に好影響をもたらすために。

その手段として、

ビジネススキルがある


そう理解すれば、リーダーシップ開発のための研修企画も体系的に組めますよね。

向川 敏秀

JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)専務理事。積水ハウス、松下電器産業グループなどを経て、経営コンサルタント、研修講師として独立。/銀座コーチングスクール銀座一丁目校代表