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上手な褒め方・叱り方

当ブログでは、組織内の研修・人材育成担当者の方、管理職やリーダーの方々に役立つ情報を発信しています。組織改革、管理職育成、リーダ研修、人材開発、リーダーシップ開発、ビジネスコミュニケーションなどのご参考になれば幸いです。JRLAの理事3名が執筆を担当しています(月:林、水:向川、金:大石)。

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上手な褒め方・叱り方

🕙 2019-10-14 06:00 👤 林 英利

もしあなたが人材育成担当者であれば、日々、リーダーシップ開発に役立つ情報を探したり、自らもその情報で得たことを実践してみたりされていることでしょう。


一方で、社内を歩いていると、管理職の人たちが部下に対して叱ったり褒めたりしている場面に出くわすこともあると思います。


そして、管理職のそれらの言葉を聞いていると、「そんな叱り方をしたら、部下が萎縮してしまうよ…」とか、「また貴重な人材が辞めてしまうかもしれない…」などと、冷や汗をかくこともあるのではないでしょうか?


今回のブログでは、ちょっとしたコツで部下のやる気を高めたり、前向きにすることができる、上手な「褒め方・叱り方」について、お伝えしたいと思います。


こんな叱り方・褒め方をしていませんか?

あらためて、社内を見渡してみると、部下が何らかの失敗をした時に、管理職の人たちはどのように叱っているでしょうか?


  • 「何で失敗したんだよ!」「何でできないんだよ!」
  • 「何度言ったらできるんだ!」
  • 「ダメなヤツだな!」


一方で、褒める時はどうでしょうか?


  • 「お前の割にはよくできたじゃないか」
  • 「あのやり方でやれば誰でもうまくいくだろ」
  • 「ついてたな」


いかがでしょうか? 上記のような言い方をされた部下は、前向きになりにくいでしょうし、上司に対して反発心や不信感を抱くこともあるでしょう。



フォーカスポイントは「人格」と「行動」

そもそも、「叱る」「褒める」は何のために行うことなのでしょうか? 決して、上司が自分自身の感情を吐き出すための手段ではありません。


それらの目的は、部下の成長であり、次の機会には部下がもっと良いパフォーマンスを発揮し、組織やチームに貢献できるようになることです。


では、どのような「叱り方」や「褒め方」を行えば、部下は前向きに取り組めるようになり、高いパフォーマンスを発揮することができるようになるのでしょうか?


ポイントは、部下の「人格」と「行動」に切り分けて、叱ったり褒めたりすることです。そして、どちらのときも大切なことは、相手の「人格」を尊重した伝え方をすることです。


叱る(相手の行動をただす)ときのポイント


① 人格を否定せず、部下を尊重している言葉を前置きする


叱るときであっても、「君はこのチームに欠かせないメンバーだよ」とか「いつも頑張っているのを知っているよ」などと、相手を尊重している言葉を前置きします。そうすることで、相手は萎縮することなく、次に上司が話す言葉を受け入れやすくなります。(心からそのように思った発言である必要があります。)


② 改善の必要のある「行動」にフォーカスする


上記①で人格を認めた上で、「あのやり方は良くないと思うよ」とか「あの行動はいただけないな」などのように、改善すべき部下の「行動」にフォーカスし伝えます。


③ 前向きに取り組める質問を行う


さらに、より良い次回のために、また、前向きに行動できるように、ポジティブな質問を投げかけます。



上記のことを一連で行うと次のような叱り方になります。



叱る(相手の行動をただす)ときの例

  1. 私は、●●さんは正義感が強い人だと思っているよ。(人格を肯定)
  2. しかし、あの言い方は良くないと思うな。言われた方も反発するだけだろう(行動を否定)
  3. 相手に分かってもらうためには、次回はどんな方法(行動)が良いと思う?(前向きにさせる質問)


褒めるときのポイント

褒めるときは、叱るときとは反対に、行動よりも人格にフォーカスした方が、嬉しさが強くなったり、次回へのモチベーションも上がるなどの効果が期待できます。


  • あのような行動ができるなんて、君は素晴らしいね。(○:人格にフォーカス)
  • あの行動は良かったね。(△:行動にフォーカス)


マインドをも養うリーダーシップ開発を

このような方法がうまく機能するためには、部下と上司の間の信頼関係がなければうまくはいかないでしょう。


しかし、伝え方一つで、部下のやる気を前向きにしたり、信頼関係を深めたりすることもできるはずです。


部下をやる気にさせ、成長させ、組織に貢献させることができるような管理職・リーダーを増やしていくために、スキルに加え、リーダーのマインドをも養うリーダーシップ開発を行いましょう。

林 英利

JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)代表理事。大和ハウス工業(株)、トヨタ自動車(株)などを経て、プロコーチ・研修講師として独立。2015年より銀座コーチングスクール代表。国際コーチ連盟(ICF)日本支部 顧問