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「関係の質」を高めると組織はどうなる?

当ブログでは、組織内の研修・人材育成担当者の方、管理職やリーダーの方々に役立つ情報を発信しています。組織改革、管理職育成、リーダ研修、人材開発、リーダーシップ開発、ビジネスコミュニケーションなどのご参考になれば幸いです。JRLAの理事3名が執筆を担当しています(月:林、水:向川、金:大石)。

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「関係の質」を高めると組織はどうなる?

🕙 2019-10-11 06:00 👤 大石 典史

企業様から依頼を受けて、リーダーシップ研修やコミュニケーション研修に臨む場合、(研修目的にもよりますが)私がコンテンツとして用意するものの中に、「組織の成功循環モデル」理論という考え方があります。


「組織の成功循環モデル」理論とは?

「組織の成功循環モデル」理論とは、元マサチューセッツ工科大学教授のダニエル・キム氏が提唱したもので、組織の成功をもたらす基本的な考え方であるとされており、「結果の質」を重視する負の循環(バッドサイクル)と、「関係の質」を重視する正の循環(グッドサイクル)とに分類されています。組織で人材育成系の仕事をされている方には、馴染みのある言葉かもしれませんね。


今日はこのことについてお話したいと思います。

まずは、イメージ的に捉えていただけるよう、「負の循環(バッドサイクル)」「正の循環(グッドサイクル)」それぞれについて図で表したいと思います。


負の循環(バッドサイクル)と正の循環(グッドサイクル)とは?

①「結果の質」が低下すると、組織や人間関係に対立が生じるようになる

②①により「関係の質」が悪化。他者との関係性が悪化すると、メンバーは仕事を面白いと感じられず、受け身体質になる

③②により「思考の質」が低下。それにより、メンバーは自発的・積極的に行動しなくなる

④③により「行動の質」が低下。結果として、ますます成果が出にくくなる

①「関係の質」を高めると、メンバーが相互理解を深め、互いを尊重し、協働体制をつくるようになる。これにより、メンバーは仕事に対する気づきや面白さを感じるようになる

②①により「思考の質」が向上。これにより、メンバーは自発的・積極的に行動するようになる

③②により「行動の質」が向上。結果、成果が出やすくなる

④③により「結果の質」が向上。結果、組織における関係性は益々良くなる


起点が「結果の質」であるか「関係の質」であるかによって、その後の循環が異なっていく点が興味深いですね。


まずは「関係の質」を高めよう

私がこの理論の「正の循環(グッドサイクル)」に着目しているのは、私自身の専門性にも関係します。すなわち、コミュニケーションの領域を専門としている立場としては、「結果の質」(それの元になる「行動の質」も含めて)に対して働きかけるよりも、まずは「関係の質」に対して働きかけたほうが、私自身の強みを活かせると判断しているからです。

具体的には、「正の循環(グッドサイクル)」に焦点を当てる中で、組織内の関係性を良くするためのマインドやスキルをコンテンツとして用意しています。


結果として、それに賛同される企業様からのオファーを受け、「組織の成功循環モデル」理論を取り入れた研修を提供することができています。

実は、JRLAビジネスリーダー認定プログラム内の「M2:部下育成力向上研修」においてもその理論を取り入れています。ご興味のある方は、ぜひ一度「無料プログラム説明会」にお越しください。

大石 典史

東証一部上場企業2社を含む4社で法人営業、コンサルタント職、人事総務等を経験。現在は、銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表、研修講師、パーソナルコーチを務める。国際コーチ連盟(ICF) 認定コーチ(ACC)。