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2種類の次世代リーダー

当ブログでは、組織内の研修・人材育成担当者の方、管理職やリーダーの方々に役立つ情報を発信しています。組織改革、管理職育成、リーダ研修、人材開発、リーダーシップ開発、ビジネスコミュニケーションなどのご参考になれば幸いです。JRLAの理事3名が執筆を担当しています(月:林、水:向川、金:大石)。

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2種類の次世代リーダー

🕙 2019-11-13 06:00 👤 向川 敏秀

次世代リーダーの開発が遅くないか?

次世代リーダーという名称の研修打ち合わせをこれまで何度もおこなってきました。

各社によって、次世代リーダーの解釈が異なっているので、

整理の意味で2種類の次世代リーダーを定義しておきます。


●メンバーを導くリーダー

役職に関わらず、年代として部下や後輩を成果に導くリーダー


●経営リーダー

将来の事業・経営の責任者として組織を導くリーダー


いずれのリーダーも企業には必要な存在ですが、

リーダーシップ開発のフォーカスポイントは異なります。


しかし、いずれもリーダーシップ開発に取り組む年代が遅い企業が多いと感じています。


ちなみに、成長を続けている企業は、

いずれのリーダーシップ開発も比較的早いですね。

メンバーを導く次世代リーダーであれば、30歳前後で。

経営リーダー候補であれば、40代前半。

まだ、役職としてそれぞれの役割を担う前の時期に育成し、

リーダー候補としての活躍を期待しています。


リーダーシップ開発が遅くなると、どういう状況になるのか?


●指示待ちの社員が増えてしまう

●「会社/事業部の方針が分からない」という不平不満が増える


どちらの課題も思い当たる企業は多いと思います。

この2つの課題を解消するために、リーダーシップ開発は、

メンバーを導くリーダーであれ、経営リーダーであれ、

早めに着手することをおススメしています。



メンバーを導く次世代リーダーの開発

部下や後輩などメンバーを成果に導くリーダーの開発は、

社会人歴5~10年目に実施するのが妥当でしょう。


目的は、

指示待ちの社員を減らし、主体性を持った社員を増やすため


各社の業務フローの中で、

オペレーション部門や、ルーティンワークをこなすパートが少なからずあると思います。

このグループの社員に関する次世代リーダー開発の相談をよくいただきます。


このグループは日々、与えられた仕事をこなすことが業務の目的となってしまい、

主体性を失いがちです。


これらの部門の社員には、何年も業務にどっぷりつかる前に、

早めに次世代リーダーとしての開発・育成に着手すべきです。


学ぶべきことは、

●顧客視点で商材・サービスの価値向上を構築する視座を持つ

●商材・サービスの価値向上の中で、自部門が提供すべき価値を見出す

●自部門の価値向上、ひいては顧客満足向上を目標に、業務改善を先導する姿勢を持つ


商材・サービスで差別化が困難な時代になっており、

ついつい価格競争に陥りがちですが、

価格以外にもうひとつ差別化のポイントがあります。

それは時間。


業務フローを時間軸で短縮する、しかも社員には負荷を与えさせない

一見、相反するミッションですが、

ビジョンを描き、実現に導くリーダーシップの発揮により、

時間短縮された事例は多々あります。

しかも、若い世代からの意見、アイディアに寄るものです。


ぜひ貴社でも試してください。



経営リーダーの育成は30代後半から

もうひとつの次世代リーダーとは、経営リーダーのこと。

経営リーダーには、マネジメント力とリーダーシップが求められますが、

リーダーシップの無いマネジメントの多いこと・・・


これがよくいただくご相談です。


組織の目標を設定し、目標に基づき計画を立て、計画の進捗管理をおこなう

これはマネジメントですね。


リーダーシップとは、

この組織の目標の達成に向けて、メンバーの意欲を引き出し、

1+1を2ではなく、3にすることです。


そしてもうひとつ学ぶべきポイントが「経営思考」。


営業や生産、経理、人事など、職種ごとに専門知識が必要であり、

その専門知識に関する研修は各社実施されていますが、

「経営」にも専門知識が必要です。


「経営」も職種のひとつととらえましょう。

この専門知識を学ぶ機会が無いまま、管理職に昇格することに、

リーダーシップの無いマネジメントを増やしている大きな原因です。


「経営」という専門知識は、

社会人歴10年を過ぎた時期に学ぶべきです。

それによって、

●「会社/事業部の方針が分からない」という不平不満が増える

に対して、

方針を一緒につくろう!

と巻き込むことができます。


不満とは欲求の裏返しなので、

欲求に応える教育・育成をしていけるように、

研修を体系的に設計していきましょう。

向川 敏秀

JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)専務理事。積水ハウス、松下電器産業グループなどを経て、経営コンサルタント、研修講師として独立。/銀座コーチングスクール銀座一丁目校代表