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リーダーシップ開発とは心技体を磨くこと

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リーダーシップ開発とは心技体を磨くこと

🕙 2019-11-27 06:00 👤 向川 敏秀

日本リレーショナルリーダーシップ協会を立ち上げて以来、

実践的なリーダーシップ開発を体系的に習得するためのプログラム開発

に日々取り組んでいるが、

実践的なリーダーシップ開発とは、

心と技と体を磨くこと

このひと言に尽きるという結論に至っている。


心を磨く

体を磨く

技を磨く


順番は心→体→技となるが、今日はこの3点について、

お伝えしたい。


リーダーシップの心を磨く

まず、リーダーシップを発揮している人材の定義だが、

これはやはり三隅二不二教授のPM理論をベースにお伝えしたい。

リーダーシップの発揮とは、

目標達成(P行動)に導けるだけではなく、

組織維持(M行動)への働きかけが出来ること

といえる。


したがって、目標達成のために厳しさが前面に出てしまい、

惹きつける人としての魅力が欠けていると、誰もついてこない。


メンバー/フォロワーを惹きつけられる一面を持つ

これがリーダーシップの心を磨く

ということである。


具体的には、

この人になら何でも打ち明けられる

という安全・安心感がある


自分の存在価値を認めてくれる

という承認欲求を満たしてくれる思いやり


そして、いつも前向きに取り組む姿勢

だろう。


これらは、

自らの強み・弱み、長所・短所を必要に応じて自己開示できる勇気の習得、

承認のスキル、傾聴のスキル、質問のスキルというコミュニケーションの基本スキルの習得、

そして、協働関係の築き方の習得

によって、実現可能である。


しかし、上下関係に固執しがちな人材は

心を磨くという点で壁にぶち当たってしまう。

そのようなリーダーを今まで何人も見てきた。


リーダーシップの体を磨く

体を磨くとは身体を鍛えることでは無い。

行動力という意味である。


リーダーが取るべき行動として、先ほどのPM理論に基づき説明すると

目標達成に導く行動(P行動)とは、

・目標達成に向けて計画を立てる

・立案した計画を遂行するための指示・命令、規則の順守の徹底、進捗管理

こういった行動が当てはまる。

いわゆるマネジメントに求められる行動と重複している。


一方、組織維持のための行動としては、

・メンバー間の葛藤や緊張を緩和する

・各メンバーに対して、個々の尊厳を重んじ、自主性を促す

・メンバー間の相互作用を促進する

といった行動が求められる。


葛藤や緊張の緩和、尊厳を重んじる

こういった行動は心が伴わなければ、行動に移せない。

したがって、まずリーダーシップの心を磨くことから習得し、

その上で、行動に移す

といった流れが出来上がってくるのだ。


リーダーシップの技を磨く

技とはズバリ、ビジネススキルのことである。

先ほど挙げた行動の効果を高めるためには、

リーダーとしてのビジネススキルの習得が重要になってくる。


たとえば、プレゼンテーション。

私も過去に何人もの上司の元で事業に取り組んで来たが、

チームの年度方針の発表の際、

心に響くプレゼンテーション、納得感のあるプレゼンテーション、

当たり障りのないプレゼンテーションなど人それぞれであった。


リーダーシップを発揮するプレゼンテーションには、

納得感とともに、「よし、やろう!」という共感が得られなければいけない。


そう考えると、プレゼンテーションスキルひとつを取っても、

リーダーに必要なビジネススキルはワンランク上のレベルが求められる。


同様のことが、

戦略思考力

1on1ミーティングの運営力

ファシリテーション力

ネゴシエーション力

などにも求められてくる訳だ。



いかがであろうか。

リーダーシップとは、

リーダーとしてのマインド(心)

リーダーとしての行動(体)

そして、リーダーとしてのビジネススキル(技)

この3つを発揮して初めて生きてくる。


上に立つ者としての学びを心技体の3点から、

ぜひ深めていただきたい。


向川 敏秀

JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)専務理事。積水ハウス、松下電器産業グループなどを経て、経営コンサルタント、研修講師として独立。/銀座コーチングスクール銀座一丁目校代表