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リーダーシップの基本3原則

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リーダーシップの基本3原則

🕙 2019-12-04 06:00 👤 向川 敏秀

あなたは「リーダーシップ」の意味をどのように解釈していますか?

Lead(導く)ですから、導く人、目標や成果に導く人

ととらえるのが一般的です。

しかし、目標や成果に導くだけなら、マネジメントも同じような役割を担っています。

計画化して、管理して、目標や成果に導くのがマネジメントですから。


【リーダーシップの基本3原則】その1

リーダーシップの基本3原則その1はリーダーシップの定義です。


【リーダーシップの基本3原則】その1

「リーダーシップとは、人々の心をひとつにする働きかけ」


リーダーシップ論の第一人者ジョン・P・コッター氏はリーダーシップを

「人々の心をひとつにする働きかけ」

と定義しています。


「心をひとつにする」がリーダーシップの役割。

そう考えると、リーダーシップとマネジメントの違いが腑に落ちてくることでしょう。

そこで、リーダーシップとマネジメントの違いについて少しふれておきます。


【リーダーシップの基本3原則】その2

リーダーシップの基本3原則その2は

「リーダーが取るべき行動は2種類ある」


前述のコッター氏の定義を分かりやすくフレームワーク化したのが、

日本の社会心理学者、三隅不二不氏のPM理論になります。

リーダーシップに必要な行動は、

P(Performance)行動→目標達成行動

M(Maintenance)行動→集団維持行動

の2種類。


PM理論で示すP型、これが「マネジメント」に求められる役割ですが、

リーダーシップはP行動に加えて、M行動が必要と定義しています。


集団維持行動、これがコッター氏の言う「人々の心をひとつにする働きかけ」

になります。


【リーダーシップの基本3原則】その3

リーダーシップの基本3原則その3は

「組織の進化に応じて、求められるリーダーシップは異なる」


リーダーシップに関しては、時代の変化とともに

様々な提唱がなされてきました。


・カリスマリーダーシップ

・変革リーダーシップ

・サーバントリーダーシップ

など


これらのリーダーシップはいずれも組織の「特定の状態」に応じて必要です。

この「特定の状態」をモデル化したのが、タックマンモデルになります。



例えば、スタートアップ企業や新規事業立ち上げであれば、

その形成期に強いビジョンを打ち出し、共感や同意を巻き起こし仲間を集めます。

この時にリーダーに求められるのが、カリスマ的リーダーシップ。

しかし、組織には必ず混乱期が訪れます。

総論賛成ながら、各論において対立が生まれたり、バラバラの状態になったり。

そのような時に、カリスマ的リーダーは再度強いビジョンで

メンバーの心をひとつにまとめなければいけません。


一方で、従来の組織に変化が求められる時。

たとえば低迷している部門がV 字回復を目指す際に求められるのが、

変革型リーダーシップ。

こちらも変革を求められて着任する管理職には、形成期に強いビジョンが必要です。

また、総論賛成でスタートしながら、メンバーが受け身の姿勢のため、

組織がバラバラの状態に陥れば、混乱期を脱するために

再度変革型の強いリーダーシップを発揮しなければいけません。


混乱期を脱して、統一絹に入ることができた組織であっても、

形成期→混乱期→統一期を繰り返してばかりでは、

組織としての大きな成長は期待できません。


大きな飛躍、成長、成果が求められる時、

リーダーはメンバーの心をひとつにして、

1+1を2ではなく、3にする力が求められます。


このような時期では、リーダーはグイグイ引っ張るよりも、

メンバー一人ひとりの主体性とメンバー間の相互作用を促す働きかけが必要です。

これがサーバントリーダーシップです。


主役はメンバー。

リーダーはメンバーが活性化しやすい環境を提供するために裏方に回る。


このように、組織の進化をモデル化したタックマンモデルには、

従来提唱されてきたすべてのリーダーシップが包含されています。


このタックマンモデルを常に念頭に置き、

混乱期に陥っていないか、機能期に導くためにどのような働きかけが必要か、

を常に考え、行動に移すことが、リーダーシップを発揮することといえるでしょう。

向川 敏秀

JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)専務理事。積水ハウス、松下電器産業グループなどを経て、経営コンサルタント、研修講師として独立。/銀座コーチングスクール銀座一丁目校代表