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リーダーシップが発揮された行動とは

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リーダーシップが発揮された行動とは

🕙 2019-12-11 06:00 👤 向川 敏秀

「あの人はリーダーの才能があるなぁ」

このような言葉を時々耳にします。

それでは、リーダーの才能とは何でしょうか?


「誠実さ」「決断力」「外向性」

このような性格や能力の特徴、つまり資質が挙げられますが、

必ずしも資質があればリーダーシップを発揮できるという訳ではありません。


性格や能力面において、何かが欠けていても、

組織のシーン、状態に応じて適切な行動を取り、組織を良い方向に導いてくれた人には

「リーダーシップを発揮してくれた」

と感じることでしょう。


リーダーシップとは資質ではなく、行動で決まるのです。

言い換えると、リーダーシップとはやりようによって、

誰でも発揮することができるのです。


リーダーシップとはメンバーが評価してくれた行動

リーダーシップは誰にでも発揮できる

となると、では、どうすれば良いのか?

という疑問が生まれますが、

簡潔にお伝えすると、

リーダーシップの行動特性を把握し、実践すれば良いのです。

特定の行動をとることによって、リーダーシップは発揮できます。


そして、リーダーシップを発揮した行動か否かは、

ご自身で判断できることではありません。


メンバーの評価です。


リーダーシップとはメンバーの意識に変化を与える影響力であり、

メンバーの生産性や満足度にプラスの影響を与える行動です。

したがって、プラスの影響によりメンバーから感謝されたのなら、

それはリーダーシップの発揮です。



目標達成と組織維持の両方を満たす行動


リーダーシップの行動特性を明らかにしたのがPM理論です。


ここであらためて、PM行動について解説しておきましょう。

目標達成行動(P行動)

組織とは、何らかの目標を達成するために人が集まって形成されたものです。

それゆえ、組織には目標達成に向けて一歩でも前に進めていくP行動が備わっています。

日々行われている会議やミーティング、それに伴う業務、

さらにはプロジェクトを進めていくチームの共同作業など、

目標達成に向けた行動すべてが該当します。


組織維持行動(M行動)

目標は一朝一夕に達成できるものではありません。

目標達成に至るまでに、さまざまな障害が存在します。


典型的なものに「人の問題」があるでしょう。

見解の違いから対立が生まれ、その対立が感情的なもつれとなり、

組織がバラバラになっていくことは少なくありません。


そのような事態になった時、黙って見過ごすことなく、

感情のもつれを解きほぐす行動を起こしたり、

人事異動などで対立を引き起こす人たちを引き離したりするでしょう。

このように組織は、目標達成に至るまで、組織としての存在を維持しようとする

M行動が備わっているのです。


リーダーが取るべき行動

このように組織が機能するためには、P行動とM行動が必要ですが、

まさにその行動の中心となるのがリーダーです。

したがって、これら両方の行動特性を満たすことが、

リーダーシップを発揮するということになります。


P行動は、組織の目標達成を促し、強化するリーダーシップ行動です。

具体的には、目標達成に向けて計画を立てる、立案した計画を遂行するために指示を出す、規則の順守を徹底する、期限を設定すること。

さらには、メンバーに対して、的確な指示やアドバイス、

フィードバックをきちんと実践することなどです。

そうすることによって、組織としての活動のレベルを高めて

目標達成に向けて邁進することができます。


M行動は、組織を維持するリーダーシップ行動です。

具体的には、メンバー間の葛藤や緊張を緩和する、

各メンバーに対して個々の尊厳を重んじ、自主性を促し、

かつメンバー間の相互作用を促進すること。

他にも、メンバーの気持ちを重んじたり、行動をフォローしたり、

親身になって悩みを聞いたりします。

フォロワーとの絆を深め、組織としての一体感を醸成することで、

困難な課題も乗り越えていくことができます。


したがって、PM理論でいうPM型のリーダーシップを実践できる人物は、

いわゆる仕事ができて、部下の気持ちもわかる理想的な上司といえるでしょう。


向川 敏秀

JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)専務理事。積水ハウス、松下電器産業グループなどを経て、経営コンサルタント、研修講師として独立。/銀座コーチングスクール銀座一丁目校代表