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1on1ミーティングの改善提案4点

1on1ミーティングの改善提案4点

🕙 2020-02-19 06:00 👤 向川 敏秀

各社への1on1ミーティング導入・運用のサポートをしてきた中、効果を高めるために、様々な工夫を凝らしてきました。

今回はその中から4点を改善提案としてご紹介します。

これまで、企業各社で1on1ミーティングを導入してきた中から、

1on1に対する誤解や、目的と制度・運用の矛盾を感じてきました。

そこで、1on1を正しく理解していただき、

かつ効果を高められるように工夫していただきたい

という想いのもと、

小冊子「1on1ミーティング 効果を高める9つのポイント」

をまとめました。

資料ダウンロードはこちら

今回はその中から、

効果のあった制度や運用ルールの改善点を4点お伝えします。

自由度の高い制度を導入・運用して、

社内で小さな成功体験を積み重ねていきましょう!


①1on1ミーティングの対象者

管理職研修の一環として、1on1ミーティングを導入する企業が増えています。

しかし、残念ながら、

「部下と信頼関係を築くことなんて出来ない」

「部下から答えは出てこない、教えるしかない」

「部下と世代が違うのだから、分かりあえるはずがない」

など、上司と部下のコミュニケーションに関して、

否定的な主張をされる方が時折見受けられました。

こういった方々には、

研修の時間はもちろんのこと、

その後の練習期間もムダになりますし、

強制的に1on1を実施しても、

「時間のムダ」など社員からも不満の声があがったり、

逆に上司と部下の関係を悪化させることもありました。

たいへん残念なお話ではありますが、

初めて1on1ミーティング研修を実施する際には、

希望される管理職のみを対象として、

社内全体への普及よりも、まず社内で1on1の成功体験を作ること

を重視することをお勧めします。

意欲・関心のある上司を対象に1on1ミーティングの初研修を実施することにより、

1on1実施後、成功体験が生まれやすくなり、

その成功体験を真似たいという思いが管理職の方々の動機づけとなり、

第2陣以降の研修・練習に対する向き合い方が変わってきます。


②メンターを選択制にする

直属の上司が社員のメンターを務めるというルールにしている企業が多々あります。

しかし、これでは効果が出にくいです。

1on1の定義を確認しましょう。

1on1ミーティングとは、

社員のパフォーマンス向上のために、社員が話したいことを継続的に対話する場

です。

しかも、その話したいこととは、

重要度が高く、緊急度の高い通常業務におけるテーマだけではなく、

今後のスキルアップや将来のキャリアプランなど専門性の高いテーマ、

(重要度:高、緊急度:低)

プライベートにおける気がかりなこと

(業務上の重要度:低、緊急度:高)

など様々です。

部下に限らず、誰もが

テーマに適した相手に話したい、聴いて欲しい

と思うもの。

1on1は部下主導の場です。

部下はテーマによって話したい相手も変わる、ということを踏まえてください。

外資系企業の多くは比較的、選択制にしています。

貴社でも、社員がメンターを自由に選べるルールにしましょう。


③セッションの場所も自由

時々、メンターからご相談をいただきます。

なんとなく重たい雰囲気でなかなか社員がポジティブな思考に変わらない。

そういう時は、場所を変えませんか?

セッションの場所は、毎回、メンターと社員が自由に選べることにしましょう。

会議室も良いですが、時にはカフェや公園などで実施しても構いません。

社員がモチベーションを高めて、パフォーマンスを向上させることが目的ですから、居酒屋でも構いません。


部下に「飲みに行きませんか?」

と誘われて、行った先で、

「いや、実は~」

という話を聞かされたことのある方も少なくないでしょう。

それを意図的に実施するためにも、1on1の場所にも自由度を持たせましょう。

④1on1の期間や開催頻度も自由

1on1は週1回、隔週1回、月1回などと定例化している企業も多く見受けられます。

この強制もあまり意味が無いですね。

1on1の目的「社員のパフォーマンス向上」とは、

最終的に社員の自立を促すということです。

自立を促す目的でありながら、

毎週、話を聴いてもらう習慣が付くと、

依存心がふくらみ、過保護な状態になります。

1on1は、原則としてサポートして欲しい時に、

期間と頻度を定めて実施することが効果的です。

そして、そのサポートして欲しい時を見逃さないために、

半期に一度の考課面談ではテーマの収集を欠かさないようにしましょう。

また、最も大切なことは社員の日頃の取り組み姿勢を観察することです。

様子がおかしいなと感じたら、ひと言、声を掛けてあげましょう。

「ひと言、声を掛ける」

これが社員の承認欲求を満たします。

「いや、実は~」

となったら、テーマ・期間・頻度を定めて、

1on1を実施してください。


向川 敏秀

JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)専務理事。積水ハウス、松下電器産業グループなどを経て、経営コンサルタント、研修講師として独立。/銀座コーチングスクール銀座一丁目校代表