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青学陸上部・原監督に学ぶ 部下の「やらされ感」をなくす方法

青学陸上部・原監督に学ぶ 部下の「やらされ感」をなくす方法

🕙 2020-02-21 06:00 👤 大石 典史

今年の大学箱根駅伝で、2年ぶりに総合優勝を果たした青山学院大学陸上競技部。同部を率いる原監督の育成・指導方法は、ビジネスの世界でも十分通用するものでした。

原監督の著書『勝ち続ける理由』に見る「結果を出せるチーム」とは?

青山学院大学陸上競技部の原監督を知らない人はいないと思いますが、同監督の著書である『勝ち続ける理由』(祥伝社新書)をあなたはご存知でしょうか。

今日は、常日頃、部下育成・指導に“壁”を感じているあなたにとって、参考となる一節を同著から取り上げたいと思います。

ご紹介したいのは、「第3章 結果を出せるチームをつくる」の部分です。第3章の中で、原監督は以下のような項目を取り上げています(代表的な項目をピックアップしました)。

  • 大義を掲げて挑戦する
  • チームの目標と個別の目標
  • 人生設計のなかで今を位置づける
  • ペナルティは必要か
  • 結果を出せるチームの条件

「人生のなかで今を位置づける」とはどういうことか?

ここで私が注目したのは、「人生のなかで今を位置づける」という項目でした。

大学駅伝という限られた領域の話ではありますが、ここに、ビジネスの世界におけるリーダー(上司)の部下育成・指導に参考になるであろう考え方を見出したのです。

以下にその項目を要約します。

  • 1年というようなスパンではなく、人生設計のなかで競技を位置づけるのがよい
  • 監督は、選手ひとりひとりがどういう人生を送るのかを常に追求していかなければならない
  • 人生設計といった大きな視野で物事を捉えていけば、(選手達の)トレーニングも「やらされ感」がなくなり、「これは自分のためにやっているのだ」という実感が湧いてくる
  • 監督はあくまで、選手それぞれが人生設計のレールを敷く際のアドバイス係に過ぎない
  • 選手が目標達成しようと努力しているときは、枝葉末節と思えるようなミスにあまりこだわらない

上司が「部下の人生設計において、今何が必要なのか?」を考えること

学生と社会人(ビジネスパーソン)では、年齢も組織に所属する期間も異なりますし、そもそも会社組織には利益追求という目的があるので一括りにはできませんが、上司が「部下の人生設計において、今何が必要なのか?」を考える視点は常に必要ではないかと考えます。

上司がこの視点を持つことにより、物事を大局的に見ることができるようになるため、部下には目標管理やプロセス管理思考が身につくようになりますし、何より上司に「部下のことを信じる」マインドが根付くのではないでしょうか。

「人生設計のなかで今を位置づける」という考え方は、陸上競技だけではなく、ビジネスという過酷なフィールドで活躍された原監督ならではの視点と言えるかもしれませんね。

大石 典史

東証一部上場企業2社を含む4社で法人営業、コンサルタント職、人事総務等を経験。現在は、銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表、研修講師、パーソナルコーチを務める。国際コーチ連盟(ICF) 認定コーチ(ACC)。