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書籍紹介「日本人が知らないプロリーダー論」
書籍紹介「日本人が知らないプロリーダー論」
今回は、企業再建のプロフェッショナル、小早川鳳明氏の著書「日本人が知らないプロリーダー論」をご紹介します。
本著では、チームメンバーの仕事をどう決めたらよいのかや、メンバーのやる気を引き出す予算数値の作成方法など、リーダーの実務において役立つ多くのノウハウが紹介されています。
当ブログでは、その中から、リーダーが着任早々に行うべきことや、活動初期におけるチームメンバーのモチベーションの高め方について、要約してお伝えします。
リーダーが着任してすぐに行うべきことは?
もし新しいリーダーが就任し、このチームで何を達成したいのか何も語らず、1ヶ月が経過したらどうだろうか。日々の業務でどのような考え方・判断基準をもって業務を遂行すべきなのか、チームメンバーはまったく分からず、業務遂行の上で困ることになる。短期間で不満が出てくることになったり、目指している目標が分からないまま場当たり的に仕事を行なっている感覚に陥ってしまう。
リーダーは着任したら、一刻も早くスピーチを行い、ビジョンと目標を語ることに全力を尽くすべきだ。ビジョンで大まかな方向性を示し、象徴的な数値を含んだ目標で、ビジョン達成のためにどの程度頑張れば良いのかの距離感を伝えることだ。
ビジョンや目標の作り方
”チームのビジョン”と聞くと、チームで話し合って決める必要があると考える人もいるが、チームの方向性を決めるのはリーダーの役割だ。プロのリーダーは、チームメンバーにこうあって欲しいと言う明確な考え方を持っていて、それを実現するようメンバーに指示を出す役割だ。
では、どのようにしてチームのビジョンや目標をつくるのか? まずは、「チームが会社の中で担う役割」「リーダーが考える理想のチーム像」「チームメンバーのメリット」をそれぞれ箇条書きで書き出してみることだ。その上で、それらを眺めながらキャッチフレーズとなるビジョンを考えてみよう。象徴的な数値目標も同様に考えてみる。全社目標を踏まえ、自分の部署やチームが課せられている責務を細分化していけば、自分のチームにふさわしい目標が見えてくるはずだ。
ビジョンや目標の伝え方
もしあなたのチームが結成されたばかりなのであれば、すぐにプレゼンテーションの場を設け、チームメンバーにビジョンや目標を発表しよう。また、既に存在するチームで、あなたがチームメンバーと関係性を深めている場合は、チームメンバーと顔を合わせる様々な場面でメンバーに伝え、ビジョン・目標を刷り込んでいけばよい。わざわざ資料を用意したり壁に貼ったりする必要はない。大切なのは、さりげなくでもよいから、繰り返し口に出してメンバーに伝えることで、あなたのチームへの思いが含まれたビジョンをメンバーに刷り込んでいくことだ。
「大きな成果」よりも先に取り組むこととは?
着任早々、「取り組まなければならない重要な仕事に取り組むべき」と考える人もいる。しかし、目の前の難しい課題に取り組もうとすると、強固な信頼関係のあるチームでない限り、逆に何も成果が出ないまま時間だけが無駄に過ぎてしまうことになる。
では、プロのリーダーは何から取り組むのだろうか? プロのリーダーが着任早々にチームメンバーから信頼を勝ち取ろうと考える時や、停滞気味の組織を向上に転じさせようとする時、チーム活動の初期に、小さな成功体験を得ることを目指す。小さな成功体験はチームメンバーのモチベーションを高め、その後のチームの活動スピードを加速することができるのだ。
小さな成功体験の仕掛けづくり
あなたがリーダーとして小さな成功体験の仕掛けを活動スケジュールに落とし込むためには、次の2つのステップで進めるとよい。
ステップ1:やるべきことを全てリストアップする
解決したい課題や問題がある場合は、それらの”問題”にではなく、それらを解決するための”小さな取り組み”が何かを考え、リストアップしてみる。そして、リストアップした各項目について、「重要度が高く、難しい取り組み」のAグループと、その他のBグループに分けてみよう。
ステップ2:小さな成功体験に適した取り組みを前倒しして実施する
次に、取り組むべき順番とスケジュールを検討し、まずはBグループの中から小さな成功体験に適した取り組みをなるべく早く行うように計画しよう。
これらを計画する際のポイントは以下の2つがある。
ポイント① 小さな成功体験には、達成したことを数値で表現できる取り組みが最適
ポイント② 小さな成功体験には、期日内に成果をあげたと演出できる取り組みが最適
小さな成功体験の仕掛けを検討する際は、外的要因の影響を受けやすかったり、交渉相手が存在するような取り組みは避けるのが無難である。Bグループの取り組みの中から、指定した期日内で必ず完了できるもの、すなわち外的要因の影響が少なく、チームメンバーが一丸となって頑張ればなんとか完了できるものを選ぶことが重要である。
まとめ
今回は本著の中から、リーダーが着任早々に取り組むべきことについて要約して紹介しました。
このほかにも、KPIをメンバーの行動指針として活用する方法などが、分かりやすく解説されています。
新任リーダーだけではなく、ベテランリーダーにもおすすめの書籍です。
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林 英利
JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)代表理事。大和ハウス工業(株)、トヨタ自動車(株)などを経て、プロコーチ・研修講師として独立。2015年より銀座コーチングスクール代表。国際コーチ連盟(ICF)日本支部 顧問