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部下に対して効果的に「自己主張する」ために

部下に対して効果的に「自己主張する」ために

🕙 2020-03-06 06:00 👤 大石 典史

今日のJRLAブログでは、相手に「自己主張する」スキルについてお話します。

自己主張が苦手なリーダーは必見です!

日常的に使う2つのコミュニケーションとは?

あなたが日常的に使うコミュニケーションには、大別すると2つの種類があると言われています。

ひとつは「相手に伝える」ためのコミュニケーション、もうひとつは「相手の中にあるものを引き出す」ためのコミュニケーション。前者の代表的なスキルは、フィードバック、リクエスト、自己開示などであり、後者では傾聴、質問といったものが挙げられます。

ところで、「相手に伝える」スキルの中には、「アサーティブ」というスキルがあることをご存知でしょうか?

相手にきちんと「自己主張する」ことができていますか?

「アサーティブ」または「アサーション」とは、通常、「自己主張する」スキルと言い換えることができます。

相手を尊重した上で、誠実に、率直に、対等に、自分の気持ちや要求を伝えるコミュニケーションの手法です。自分の感情をそのままぶつけるのではなく、自分の気持ちを尊重しつつ、自分の主張をしっかり伝えることです。

上司は、部下の自律・自走を促すために質問やフィードバック等のスキルを用いますが、時には上司が「自己主張する」ことで、部下に良い影響を及ぼすことがあります。

もちろん、このスキルは、部下に対してだけではなく、自分の同僚や上司に対しても使うことができます。

マトリクスを使って自己主張の仕方を考察する

自分が相手に対して自己主張しようとする場合、そこに肯定的(OK)と否定的(NG)という要素を加えると、下記のような組み合わせが成り立ちます。

① 相手はOK/自分はNG(受け身的)

② 相手はNG/自分はOK(攻撃的)

③ 相手はNG/自分もNG(皮肉的)

④ 相手はOK/自分もOK

アサーティブとは、まさに上記④の考え方の上に立ったコミュニケーションを行うということです。

参考までに①~④時における(自分の)心理・対応を具体化しておくと、以下のようになります。

① 受け身的

・ 自分さえ我慢すれば良い

・ 自分の感情や要求を表現しない

・ 相手との対立を恐れている

・ 不満を抱えてストレスを溜める

② 攻撃的

・ 絶対に相手に負けてはならない

・ 相手を見下すことで優位を証明

・ 相手の感情や言い分を軽視する

・ 自分の要求を相手に押し付ける

③ 皮肉的

・ 表立って事を荒立てたりはしない

・ でも、きっちりと仕返しをする

・ 周りの人を巻き込んで相手に罪の意識を持たせる

④ アサーティブ

・ 相手を尊重して受け止める

・ 自分の気持ちや要求をしっかりと伝える

・ 双方にメリットがある形での合意を促す

このように見てくると、自己主張する際には、やはり、相手にアサーティブな対応をすることが最良の方法であるように感じます。

そこで、次週のJRLAブログでは、このアサーティブな対応の具体化方法について、事例を交えてご説明したいと思います。

大石 典史

東証一部上場企業2社を含む4社で法人営業、コンサルタント職、人事総務等を経験。現在は、銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表、研修講師、パーソナルコーチを務める。国際コーチ連盟(ICF) 認定コーチ(ACC)。