JRLA Staff Blog

心をひとつにして事業計画をつくる

心をひとつにして事業計画をつくる

🕙 2020-03-11 06:00 👤 向川 敏秀

「ビジネスにも歓喜の瞬間をつくろう!」

スポーツとビジネスの違いこそあれ、プロとはかくあるべき

心をひとつにする働きかけを事業計画、戦略策定で活かしましょう

ビジネスにも心をひとつにする働きかけを

リーダーシップとは「メンバーの心をひとつにする働きかけ」という解釈のもと、

日頃から、リーダーとメンバーとのコミュニケーションを中心に、

組織の心をひとつにする働きかけに必要なビジネススキル習得のサポートをしています。

しかし、これらのビジネススキルは日常業務における対話において、

活かされつつあるものの、組織の方向性や戦略、計画実行のシーンになると、

リーダーの力みや従来の上下関係の慣習などに阻まれ、

十分に活かされていないという危惧もあります。

戦略とは、人と人の間でつくられ、実行していくもの。

そこに、もっと心をひとつにする働きかけを取り入れていただきたい

というのが私の想いです。

昨年のラグビーワールドカップ2019では、

リーチ・マイケル選手はじめ、姫野選手、福岡選手、田村選手など

多くの選手がリーダーシップを発揮、「ONE TEAM」になって、

初の8強入りを果たし、列島を歓喜の渦に巻き込んでくれました。

スポーツとビジネスの違いこそあれ、

プロとはかくあるべき

と思います。

「ビジネスにも歓喜の瞬間をつくろう!」

という想いを込めて、今回は事業計画策定における各プロセスにおいて、

心をひとつにする働きかけをどのように活用していくべきか、まとめてみました。

事業計画策定プロセスとチームづくり

私は、日頃のコンサルティング、ワークショップの中で、

事業計画を大きく4つのステップに分けて導いています。

1.事業ビジョン策定

2.中期計画から次年度事業計画へ

3.PDCA設計

4.プレゼンテーション

文字数の制限があるので、それぞれ簡単にお伝えしていきますが、

1.事業ビジョン策定

事業ビジョンは必ず描きましょう。

企業ビジョンのもとで働くのではなく、

各事業部独自の「ありたい状態」を描く。

そして、「ビジョンはトップが作る」では、ビジョンは浸透しません。

価値観の多様化、ダイバーシティと叫ばれている通り、

メンバーの価値観はバラバラです。

それを無理やりトップから一方通行でビジョンを押し付けてもムリ。

皆で、小組織でビジョンを描き合う、

制約を取り払いワクワクするくらい描く

その統合形として、事業部のビジョンをひとつにまとめる

これによって、メンバーの承認欲求も多少なりとも満たされます。

2.中期計画から次年度事業計画へ

事業ビジョンを実現するために、事業計画を策定するもの。

しかし、中長期のビジョンを描きながら、

事業計画が来年度の計画にとどまっていたら、

せっかくのワクワク感が遠のいてしまいます。

ビジョン実現のために、中期計画策定に注力してください。

中期計画策定にはもうひとつのメリットがあります。

単年度事業計画では、どうしてもこの1年で出来ることばかりを盛り込んでしまいます。

これでは、魅力ある方向性は描けません。

2年計画で新製品を開発しよう!

3年計画で重点顧客を既存顧客から新規顧客にシフトしよう

といったワクワクする取り組みを盛り込むために、

必ず中期計画から立案してください。

その中から、「ではまず来年度は」といった流れで、

次年度事業計画を策定します。

あと、事業計画策定は「選択と集中」の繰り返しです。

ありきたりの事業計画にならないように、

選択肢を広げる際には制約を取り払い、

活発な情報・意見・アイディアが飛び出すような場づくりに努めましょう。

ひとつお願いですが、事業トップの方は、

中期計画中に組織をいじらない

ということをメンバーにコミットしてくださいね。

このコミットがメンバーと組織の安心感を生みます。

3.PDCA設計

事業計画を策定しても、絵に描いた餅で終わる事業部と出くわします。

徹底的に事業計画にこだわってください。

「自分たちで立てた目標、自分たちで何とかしよう!」

という意欲を引き出すことが大事。

そのために、中期計画で山場を作ることをお勧めします。

たとえば、

2年間で新商品を開発して、

「3期目でブレイクさせよう!」といった感じ。

1期目、2期目は出来るだけスムーズに達成できる目標を設定して、

その代わり、3期目でブレイクするだけのパワーを蓄積していくイメージですね。

これをPDCAに盛り込みましょう。

よく、DとAの違いが不明確、

Dの期間を設定していない、

Cをいつやるのか、何をcheckするのか決まっていない

といった中身の無いPDCAを拝見します。

仮説検証として、しっかりPDCAを設計する

そして、CからAに進めると判断できたら、皆で喜ぶ!

事業目標達成!とは小さな成功体験の積み重ねですから、

しっかり、皆で喜びましょうね。

4.プレゼンテーション

最後にプレゼンテーションですが、

これは中期計画、次年度事業計画を策定したら、

ぜひチーム単位でド派手にプレゼンテーションする機会を提供してください。

ちまたでは、事業計画策定のシーンでもそうですが、

プレゼンテーションの機会も、硬さがあふれる事業部が多過ぎます。

ワクワクする(はずの)事業部のビジョン、およびチーム単位のビジョンのもと、

その実現のために、チームごとに趣向を凝らして、プレゼンしてもらう機会。

社員のモチベーションとチームの結束力を高め、

それをひけらかす場としてプレゼンの機会を楽しみ、

強いコミットメントに結び付けていきましょう。


いかがでしたか?

限られた文字数でしたが、多少なりとも、

心をひとつにする働きかけが事業計画、戦略に活かされた状態を

イメージしていただければ幸いです。

向川 敏秀

JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)専務理事。積水ハウス、松下電器産業グループなどを経て、経営コンサルタント、研修講師として独立。/銀座コーチングスクール銀座一丁目校代表