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部下に「アサーティブ」に伝えるためのコツとは?

部下に「アサーティブ」に伝えるためのコツとは?

🕙 2020-03-13 06:00 👤 大石 典史

先週のJRLAブログでは、「アサーティブ(=自己主張する)」スキルについて、概要をご紹介しました。

今日は部下に「アサーティブ」に伝えるためのコツをお話します。

「アサーティブ」スキルの具体的方法とは?

簡単におさらいをしておくと、アサーティブとは、「相手もOK/自分もOK」の状態で、具体的には以下のような対応をすることである、というものでした。

◆ アサーティブ

① 相手を尊重して受け止める

② 自分の気持ちや要求をしっかりと伝える

③ 双方にメリットがある形での合意を促す


今日は、さらに、これらの具体的方法を確認していきたいと思います。

① 相手を尊重して受け止める

・ 話を聴くことに集中し、「聴いている」というサインを送る

ex. うなずき、あいづち、繰り返し、など

・ 話を否定せずに、最後まで話を聴く

・ 適度にペーシング(=ペースを合わせること)をして、話しやすい環境をつくる

ex. 相手の話す速度、声の大きさ、表情、態度、姿勢、など

② 自分の気持ちや要求をしっかりと伝える

・ 「事実→感情→要求→結果」の順番で伝える

事実:起きている事実を客観的、具体的、簡潔に伝える

感情:相手の態度や言葉に対して、自分がどう思っているのかを率直に伝える

要求:相手に望む変化を具体的・現実的に要求する

結果:要求した結果、自分の気持ちや関係性がどうなるのかを予め伝えておく

※ 事例を後述します。

③ 双方にメリットがある形での合意を促す

・ 相手に許可を求めたり、枕詞をつけたりする

ex.(上司→部下)「ひとつ提案しても良いかな」「申し訳ないけど・・・」

・ 前向きな対策や提案を行う

ex.(部下→上司)「それは明日であればできますが、いかがでしょうか?」

部下の原くんに「アサーティブ」に伝えるためには?

ここで、以前登場した部下の「原くん」の事例を取り上げてみたいと思います。

営業成績の良くなった原くん。クライアントからの信頼は厚いのですが、ここのところ、出張時の経費精算がいつも遅くなるため、経理部からクレームが出ています。そのことを経理部長から指摘された原くんの上司は、彼にどのように伝えると効果的か思案しています。

さて、こんな時、あなたが原くんの上司ならどうするでしょうか?

ここでは、上記②の「事実→感情→要求→結果」の順番で伝えた事例をご紹介したいと思います。

事実:

「今日、経理部長から指摘を受けたんだが、経費精算で遅れが出ているようだね。

どうやらそれで、経理業務において支障が出ているようだ。」

感情:

「このような事態になってしまい、私も困惑している。

営業成績の良い君だけに、このようなことで社内にケチがつくのは残念に思う。」

要求:

「忙しいとは思うけど、今後は、必ず出張翌日には処理をしてくれるかい?」

結果:

「それをしてくれれば、私は何も言うことはない。社内的にも君の株はさらに上がるだろう。」


まとめ

いかがでしょうか。

この「事実→感情→要求→結果」の順番で伝えることは、アサーティブでも代表的な手法であり、上司のあなたが部下に「アサーティブ」に伝える際には、効果的な手法のひとつであると言えましょう。

ぜひ一度、実践で使ってみることをお勧めします。

大石 典史

東証一部上場企業2社を含む4社で法人営業、コンサルタント職、人事総務等を経験。現在は、銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表、研修講師、パーソナルコーチを務める。国際コーチ連盟(ICF) 認定コーチ(ACC)。