JRLA Staff Blog
上下関係と協働関係を使いこなす
上下関係と協働関係を使いこなす
リーダーの行動特性には目標達成行動と組織維持行動の2つがあります。
2つの行動を発揮するために、上下関係と協働関係を使いこなせるようになりましょう。
理想のリーダーは「目標達成」と「組織維持」の両方を満たす
来月から新年度がスタートする企業が多い中、
3月後半は各小組織の来期の計画について具体化している頃と思います。
新年度を迎えるにあたり、心新たに、
事業責任者等リーダーとしてのあるべき姿も描く時期でもありますね。
そこで、リーダーシップの行動特性を明らかにした、
三隅二不二教授の「PM理論」を確認しておきましょう。
組織が成長するための行動は2つあります。
ひとつは、組織が掲げる目標達成およびそれに関連する課題を解決していくことです。
これをPerformanceの頭文字をとって、P(目標達成)行動と呼びます。
もうひとつは、活性化した状態の組織を維持していくことです。
これはMaintenanceの頭文字をとってM(組織維持)行動と呼びます。
具体的には、メンバー間の葛藤や緊張を緩和したり、
各メンバーに対して、個々の尊厳を重んじ、主体性を促し、
メンバー間の相互依存関係を促進することです。
リーダーシップを発揮する理想的なスタイルはPM型。
仕事に関係することとしては、P行動として、的確な指示やアドバイス、さらにはフィードバックをきちんと実践します。
そうすることによって、組織としての活動のレベルを高めて
目標達成に邁進することができます。
一方、メンバーとの関係に対しては、M行動として、
メンバーの気持ちをおもんばかったり、フォローしたり、
親身になって悩みを聴いたりします。
メンバーとの絆を強め、組織としての一体感を醸成することで、
困難な課題も乗り越えていくことができます。
PM型のリーダーシップを実践するリーダーは、いわゆる仕事ができて、メンバーの気持ちもわかる理想的な上司といえます。
今回はこのM行動をもう少し具体的にして、目標達成を支えるために必要なリーダーの5つの心構えについてまとめてみました。
上下関係と協働関係を使いこなそう
まずひとつめは上下関係と協働関係を使いこなそう。
M(目標達成)行動は組織を目標達成に導くために、上下関係を示す必要があります。
「今期の目標は●●だ、皆の力を結集して達成するぞ!」
という指示命令型の行動。
しかし、上下関係だけではメンバーはついてこれません。
リーダーがロールモデルとなって、お手本を示すことが効果的です。
ぜひ、メンバーと共同作業する機会を増やしてください。
共同作業の中で、メンバーはリーダーの思考やスキルを盗み、真似ながら、
成長していきます。
また、共同作業の際は、メンバーがリーダーに依存しきらないように、
リーダーとメンバーの関係をフラットにしておく必要があります。
このフラットな関係の中で、共同作業をおこない、
メンバーの成長を促していく、これが協働関係です。
この協働関係をおろそかにするリーダーがたいへん多いと感じています。
メンバーの成長のために、リーダー自らがメンバーの中に入っていく
ということを忘れずに取り組んでください。
承認と傾聴を使いこなす
協働関係を推進していく中で、必要になってくるのが、
メンバーが安心して何でも話せる場づくり。
場づくりのためには、承認のスキルと傾聴のスキルが重要です。
承認と傾聴が重要なことは分かっているけど、
どのように実践すれば良いか分からないという方のために、
具体的方法をあげておきましょう。
承認のスキルの具体的方法
●メンバーの言葉をそのまま受け止める
●メンバーの言葉に適切に反応する(うなずく・相づちを打つ)
●メンバーと同じ言葉を繰り返す(おうむ返し・リフレイン)
いったん受け止めて、何でも話せる安心感を醸成してください。
反論がある場合は、いったん受け止めた上で、
選択肢として提示するという協働関係に基づく配慮を心掛けましょう。
傾聴のスキルの具体的方法
●ペーシング
●気持ちよくたくさん話したくなる接続詞を使う
(それで、それから、他には、具体的には)
●待つ
●言い換える
協働関係を習得した多くのリーダーは、2面性を持てるようになります。
グイグイ引っ張っていく邁進型の一面と、メンバーの主体性を引き出す器の大きい一面です。
私も2面性を上手に使い分けられるようになりました。
来期に向けて、心新たにされるリーダーの皆様にも、上下関係と協働関係の使い分けを習得していただけることを願っています。
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向川 敏秀
JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)専務理事。積水ハウス、松下電器産業グループなどを経て、経営コンサルタント、研修講師として独立。/銀座コーチングスクール銀座一丁目校代表