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『孫子』に学ぶ未曾有の事態に打ち勝つ方法

『孫子』に学ぶ未曾有の事態に打ち勝つ方法

🕙 2020-04-10 06:00 👤 大石 典史

ついに発令された「緊急事態宣言」。

あなたはこの未曾有の事態にどのように立ち向かいますか?

「不要不急の外出自粛」がもたらすもの

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、4月7日に7都府県を対象に発令された「緊急事態宣言」。3月後半より声高に叫ばれてきた「不要不急の外出自粛」が、これによりさらに強調される形になりました。

この「不要不急の外出自粛」は、すでに観光・飲食・サービス業などを中心に、私達の経済に大きな打撃を与えています。

JRLAの専門領域である研修事業も同様で、形態の多くが集合研修、いわゆる「NO3密(密閉空間・密集場所・密接場面・)」に当たるため、多くのクライアントがこれを避けた結果、延期または中止になっているのが実情です。

このような未曾有の事態に、果たして私達はどのように立ち向かえば良いのでしょうか。また、ビジネスリーダーは、どのような対応が求められるのでしょうか。

『孫子』にみるリーダーの取るべき行動

ビジネスリーダーの取るべき行動として、参考になる考え方が『孫子』の「虚実篇」の中に書かれていました。『[現代語訳]孫子』(杉之尾宜生編著 日経ビジネス文庫)を参考に紐解いてみたいと思います。

「水は地に因って流れを制し、兵は敵に因って勝(かち)を制す。」

水が、地形の変化に従って流れを変えていくように、軍隊も、敵情に応じた行動をとることにより勝利を達成する。

「故に、兵には常勢無く、水には常形無し。」

したがって、水の流れに一定の型がないように、武力戦のやり方にも一定の型はない。

「能く敵に因って変化し、而(しこう)して勝(かち)を取る者、之を神(しん)と謂う。」

敵の状況に応じて自らの戦術戦法を変化させ、勝利を獲得する手段方法を会得できる者は、神業と言えよう。

これらのことから言えることは、ビジネスリーダーは、時流を敏感に感じ取り、水の如く、その流れに沿って自らを変化させていくことが求められる、ということではないでしょうか。

リーダーとは“水の如く”変化し、浸透させる役割

このことは、具体的な働き方の例で言えば、インターネット環境を活用したリモートワーク(在宅勤務)を考えれば分かりやすいでしょう(これはビジネスリーダーに限ったことではありませんが)。

ちなみに、私もその恩恵に預かっていますが、やってみると、多少不便さを感じながらも、やれることを感じています。

また、私達の専門領域である研修事業も、今後は、リアル(対面・集合)からオンラインへの移行、または、それらを融合したスタイルというものを提供することが求められるのでしょう。

いずれにせよ、現在の未曾有の事態においては、その流れに沿って変化していくことが求められるのであり、その中でビジネスリーダーは、そのことを組織に浸透させていく役割があるということを肝に銘じておくべきでしょう。

大石 典史

東証一部上場企業2社を含む4社で法人営業、コンサルタント職、人事総務等を経験。現在は、銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表、研修講師、パーソナルコーチを務める。国際コーチ連盟(ICF) 認定コーチ(ACC)。