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コリン・パウエルのルール(自戒13カ条)(前半)

コリン・パウエルのルール(自戒13カ条)(前半)

🕙 2020-04-15 06:00 👤 林 英利

リーダーとして多くの人から愛された、元・アメリカ国務長官コリン・パウエル氏。彼が座右の銘にしている「13カ条のルール」は全世界に広がり、約30年に渡って多くの人に影響を与えています。彼の著書「リーダーを目指す人の心得」を元にして、その概要を今回と次回のブログに分けてご紹介します。

1. なにごとも思うほどには悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ。

こうなる場合もあるし、ならない場合もある。どちらでもいいだろう。これは心構えの問題であって予測ではないからだ。私は、状況がどれほど厳しいときも自信を失わず、楽観的な姿勢を保つように心がけてきた。


2. まず怒れ。その上で怒りを乗り越えろ。

誰でも怒る。怒りは当たり前でまっとうな感情だ。子どもに対しても、連れ合いに対しても、親友に対しても、そして、敵に対しても怒る。ただ、怒ったままはよくないと私は思う。怒ったら、さっと怒りを乗り越え、自制心を失わないように心がけている。


3. 自分の人格と意見と混同してはならない。さもないと、意見が却下された時も自分も地に落ちてしまう。

自分の立論に問題があったと認めても、それが人格に問題があったことを意味しない。意思決定とは自身について行うものでもなければ人格について行うものでもない。意思決定とは、情報を全て集め、分析し、適切な解答を導きだそうとするものだ。


4. やればできる。

よく知られた言葉でもあるが、これも心構えを示すものであって、現実を示しているわけではない。やってもできないかもしれないが、それでも、できると信じてやり始め、無理だという事実や分析が積み上がるまでやることが大事なのだ。同時に、悲観的な見方をする人や、根拠をもって反対意見を示してくれる人を遠ざけてもいけない。「やればできる」と「必ずできる」が違うことも忘れてはならない。


5. 選択には細心の注意を払え。思わぬ結果になることもあるので注意すべし。

慌てて物事を決めないこと。もちろん、時と場合によっては、急いで結論を出さなければならないこともある。だが普通は、選択肢を比較したり、ためつすがめつしたり、明るい日中と暗い夜中に検討してみたり、各選択肢がもたらす結果を考えてみたりするだけの時間があるはずだ。いったん選んだら、その結果は自分で引き受けなければならない。選択を間違えた場合、あとから訂正できることもあるが、訂正できないこともある。


6. 優れた決断を問題で曇らせてなならない。

優れたリーダーは優れた直感を持つことが多い。判断が難しい局面に立たされた場合、利用できるだけの時間を使って情報を集め、直感的な判断に役立てるべきだ。状況や敵、手元の武器に障害、強みに弱み、脅威、リスクなどを全て把握する。複数の選択肢を設定し、集めた情報をもとに選択肢を比較検討する。直感は当てずっぽうや山勘とは異なる。どの事実が重要であるのか、また、どの問題は無視していいのかを、長年の経験に基づいて直感的に判断するもの、つまり、事実に基づく直感と言うべきものだ


次回は、7~13をご紹介します。


林 英利

JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)代表理事。大和ハウス工業(株)、トヨタ自動車(株)などを経て、プロコーチ・研修講師として独立。2015年より銀座コーチングスクール代表。国際コーチ連盟(ICF)日本支部 顧問