JRLA Staff Blog
マインドフルネスとリーダーシップ
マインドフルネスとリーダーシップ
あなたは「マインドフルネス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
リーダーがマインドフルネスを取り入れることで、リーダーと組織はどのように変容するのでしょうか?
マインドフルネスとは何か?
マインドフルネスについては、世界的企業であるグーグルやアップル、ゴールドマン・サックス等で取り入れられていることから、ご存知の方も多いのではないかと思います。
マインドフルネスの一般的な認識としては、心理学者であり、科学ジャーナリストであるダニエル・ゴールマン氏の以下の言葉が的を射ているように思います(「『マインドフルネス』 ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編 ダイヤモンド社」より一部引用)。
自分の内面に意識を向け、思考や感情や行動について、解釈の良し悪しの判定をせずにただ観察するための方法で、具体的方法として一般的なのは、自分の呼吸だけに意識を集中させ、雑念が浮かんだら再び呼吸に意識を向けるというもの。
氏によれば、上記のような実践を続けると、リーダーとしてさまざまな恩恵に預かることができる、としています。
マインドフルネスの恩恵とは?
それでは次に、どのような恩恵があるのかを実際に見ていきたいと思います。
① 集中力が強化される
研究によれば、日常的な習慣としてマインドフルネスを実践する人たちは、上の空になったり、注意散漫になったりする傾向があまり見られず、総じて集中力が高いという結果が出ています。その効果として、明らかに生産性の向上と概念ギャップの改善が見られています。
② ストレス下で平静を維持できる
マインドフルネスを実践する人たちの脳(偏桃体)は、ある種のインプット(情報)を脅威と解釈する可能性が低いため、闘争や迷走、凍結といった防衛反応を即座に示す傾向が比較的弱いという研究結果が出ています。また、他のグループに関する調査では、ストレスの多い出来事から比較的早く回復することが明らかになっています。
③ 記憶力が向上する
マインドフルネスを実践する人たちは、ワーキングメモリー(作業記憶)、つまり、進行中の思考プロセスを保持する短期記憶に優れているという研究結果が出ています。この能力は、複合思考能力の強化につながり、戦略的な仕事や問題解決、他者との張り詰めたやり取りに効果を発揮する、としています。
④ チームワークが良くなる
マインドフルネス実践の一部として、「他者に対して親切な態度を意識して行う」というものがありますが、このアプローチは、思いやりを司る脳の神経回路の活性化、つまり、寛容さの増大につながり、困っている人を助ける傾向が強くなることが実証されています。これは、まさに「あの人の部下になりたい」と思わせるリーダーの資質であると言えます。
マインドフルネスは組織やメンバーに良い影響を及ぼす
このように見てくると、リーダーはマインドフルネスを実践することにより、自らの内面を変容させ、結果として、組織やメンバーに良い影響を及ぼしていくものである、ということが言えそうです。
JRLAでは、ビジネスリーダーのコアコンピタンスのひとつとして「自己基盤」を挙げていますが、この意味するところは、リーダーが常に組織のメンバーのロールモデル(模範)示すというものです。
つまり、リーダーにとってマインドフルネスの実践は、「自己基盤」を強化するための、ひとつの具体的方法であるとも言えるのです。
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大石 典史
東証一部上場企業2社を含む4社で法人営業、コンサルタント職、人事総務等を経験。現在は、銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表、研修講師、パーソナルコーチを務める。国際コーチ連盟(ICF) 認定コーチ(ACC)。