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自己基盤とリーダーシップ

自己基盤とリーダーシップ

🕙 2020-05-01 06:00 👤 大石 典史

リーダーにとって、自己基盤の強化は欠かせないものです。

一方で、部下の自己基盤が弱い時、あなたならどうしますか?

リーダー自身が「自己基盤」強化を図るために

前回のJRLAブログでは「マインドフルネスとリーダーシップ」と題し、リーダーがマインドフルネスを取り入れることで、リーダーと組織がどのように変容するのかを確認しました。

さらに、その中で、マインドフルネスの実践は、リーダー自身の「自己基盤」を強化するための、具体的な方法のひとつであると結論付けました。

一方で、あなたは、こんなことを考えたこと・思ったことはありませんか?

「自分は自己基盤の強化に努めているが、肝心の部下の自己基盤が弱い場合はどうしたら良いのか?」

まさか、ここで、「自分(リーダー)と同じようなことをしなさい」と、指示を出すこともできませんよね。

そこで、今日のJRLAブログでは、部下の自己基盤が弱い(=自己肯定感が低い、自信が無い)と感じた場合の、リーダーの適切な接し方について考えてみたいと思います。

自己基盤の弱い部下とは?

まず、「自己基盤の弱い部下」というのは、どのような部下なのでしょうか?

差し詰め、以下のような部下の姿を想像していただければ良いかと思います。

  • 自分の経験や実績に自信が持てない
  • 自分の経験や実績に気づいていない
  • 周囲や人の意見に流されてしまう
  • 目先の状況で目標が変わってしまう
  • 何をやっても長続きしない

いかがでしょうか?

あなたの部下の中に、上記のような項目が当てはまる人はいないでしょうか?


部下の自己基盤を強化するための4つの方法

そこで今日は、コーチングの手法を使って、部下の自己基盤の強化方法を考えてみたいと思います。

1. 部下のこれまでの経験や実績をしっかりと認める

自己基盤の弱い部下は、自分や自分のやってきたことを素直に認めることができていないものです。リーダーはそれを否定することなく、しっかりと「認める」ことを実施します。なお、ここで言う「認める」とは、相手を評価することでなく、相手に「きちんと受け止めている」ことを伝える行為のことです。

2. 部下のこれまでの経験や実績をフィードバックする

これは、上記1とは似て非なるもの、であると言えるでしょう。こちらの場合は、部下自身が自分の経験や実績に“気づいていない”ことから起きる、自己肯定感の低さや自信の無さといったものです。このような時、リーダーは、自分の感じたことや気づいたことを、相手に対して“鏡”のように伝えます。ただし、ここでは、ポジティブな評価(=ほめる)ことは良いですが、ネガティブな評価は避けるようにします。

3. リーダー自身の経験等を自己開示する

文字通り、リーダー自身の思い・考え・経験等を自己開示します。これにより、部下は自分の上司に対して親近感を持つことに加え、「自分もリーダーのようにすれば(考えれば)できるのだ」といった気づきを得ることができます。言い換えれば、このことは「自己開示を通じてリーダーとしての模範を示すこと」と言っても良いかもしれません。

4. 必ず達成できる目標を設定し、フォローアップする

自己基盤の弱い部下の目標設定や行動計画は、そもそも自分の身の丈に合っていないのかもしれません。そのような場合には、まず「必ず達成できる(小さな)目標」を掲げるようにし、それに向けての行動計画をリーダーとともに作り上げるという工夫が必要です。また、リーダーは、決して言い放しにしてはならず、目標達成に向けてきちんとフォローアップするようにします。

このような部下との関わり方を経て、リーダーもまた人間的成長、すなわち、自身の「自己基盤」の強化が図れていくと言えるでしょう。

大石 典史

東証一部上場企業2社を含む4社で法人営業、コンサルタント職、人事総務等を経験。現在は、銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表、研修講師、パーソナルコーチを務める。国際コーチ連盟(ICF) 認定コーチ(ACC)。