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会社組織には、なぜ「メンター」が必要なのか?

会社組織には、なぜ「メンター」が必要なのか?

🕙 2020-05-15 06:00 👤 大石 典史

組織のリーダーや役職者がよく耳にする「メンター」という言葉。

今日は、その意味と役割について取り上げてみました。

必要性を感じて購入した図書との再会


新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、「緊急事態宣言」が発令されてから1ヶ月強が経ちました。

外出自粛の折、SNS上では「7日間ブックカバーチャレンジ」なるものが賑わいを見せていますね。

このような投稿を見ていると、投稿者の志向性や専門性などが読み取れて面白いなぁと感じています。

それに触発されて、というわけではないのですが、私も過去に読んだ図書をあらためて手に取り、眺めたり読み返したりしています。

そんな中、懐かしい図書が出て来ました。今から十数年前、人材紹介会社に勤め、チームのリーダー(当時は「アシスタントマネジャー」という名称でした)を務めた時に購入した図書です。

『「社内メンター」が会社を変える』 小野達郎 同文舘出版

当時は、プレイングマネジャーという立場でしたので、自分の数字(予算)を持ちながらの後進指導、チームリーダーとして皆を引っ張らなければいけないという思いが強く、「メンター」などという言葉は上の空。折角購入した図書もほとんど手つかずであったように記憶しています(その証拠にほとんど記憶に残っていません 笑)。

余談ですが、ちょうどこの頃、「コーチング」というマネジメントスキルを知ることになりました。

あらためて読んでみると、多少の時代錯誤感は感じるものの、現在JRLAが注力している「社内コーチ育成」や「1on1ミーティング」の領域に十分通じるものがあると感じたため、本日ご紹介させていただく次第です。

「メンター」とは何か?


ところで、そもそも「メンター」とは何でしょうか?

同書によると、メンターとは、元々「心の師」という意味であり、部下や後輩に対して、ビジネススキルだけでなく、仕事観から生き方まで、全人格的にサポートできるリーダーを指す、とあり、より具体的には、仕事を与えるのではなく、仕事の取り方・見つけ方を教える人、また、成績が上がるヒントを教える人、問題解決の糸口に気づかせる人、とあります。

メンターのあり方とは、まさに、コーチのあり方そのもののような感じがします。

とはいえ、一般的なメンターの概念は、自分の経験に基づく知恵や指導を行う専門家であり、メンタリングには、アドバイス、カウンセリング、コーチングが含まれる、とありますので、メンターはコーチの領域を包含していると言っても良いかもしれません。

会社組織には、なぜ「メンター」が必要なのか?


では、なぜ、会社組織には「メンター」が必要とされるのでしょうか?

会社組織では、一般的に上司や先輩がメンター(メンタリングを行う人)、部下や後輩がメンティー(メンタリングを受ける人)となりますが、同書によると、その間柄は、良い意味で「師弟関係」を築くことが必要である、としています。

ここで言う「師弟関係」とは、上司と部下が信頼に基づく公私一体の関係性のことを指しており、このような関係性が醸成された組織では、個々人の自律性が保たれやすいため、現代のようなマーケットが成熟し、顧客の好みや需要も多様化している社会では、適応しやすいことが理由となります。

このように考えると、やはり複雑化した現代においては、メンターを核とした師弟関係づくりが必要になってきている、と言えるのではないでしょうか。

大石 典史

東証一部上場企業2社を含む4社で法人営業、コンサルタント職、人事総務等を経験。現在は、銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表、研修講師、パーソナルコーチを務める。国際コーチ連盟(ICF) 認定コーチ(ACC)。