本来はありがたいはずの「紹介」。しかし、紹介によって迷惑を被ったり、信頼関係を失ったりするケースも少なくないようです。
リーダーの皆さんにとって、「紹介」は身近にあるものではないでしょうか。
取引先からお客様を紹介されたり、仕事のパートナーなどからは「~のような人を紹介して欲しい」と頼まれたりなど、優秀なリーダーほど「紹介」に関与することは日常的ではないかと思います。
「紹介」には、「人と人を引き合わせること」などの意味がありますが、「紹」と言う字には「継ぐ」や「受ける」のほか、「助ける」や「糸を強く撚り合わせる」と言う意味があります。また「介」には「間に入って取り持つ」や「世話をする」という意味があり、つまり、紹介とは「世話をして助けること」と捉えることができるでしょう。
しかし、皆さんの中には、紹介によって「助ける」どころか、逆に「相手に迷惑をかけてしまった」とか、「えらい目にあってしまった」という経験も、少なからずあるのではないでしょうか。
例えば、紹介した顧客が約束や支払い期日を守らなかったり、連絡や相談の方法によって、相手の信頼を失ってしまったり、また、自分が紹介を受けた場合には、紹介してくれた人に申し訳ないという気持ちから、無理な条件で受けてしまったり、他の仕事に悪い影響を及ぼすようなことになってしまったこともあるかもしれません。
このようなことでは、時間やお金を無駄にするだけではなく、もともとは良かったはずの信頼関係にも悪い影響を与えてしまうことになってしまいます。
では、紹介に関わるときには、どのようなことに注意したら良いのでしょうか。経験や教訓をもとに、私は次のように心がけるようにしています。
このようなことに十分に注意をしたとしても、トラブルを100%回避することはできません。場合によって仲裁をすることもできるかもしれませんが、契約関係上、当事者間に入ることができず、見守るしかできない場合もあります。
親切心は大切ですが、安請け合いは禁物です。
林 英利
JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)代表理事。大和ハウス工業(株)、トヨタ自動車(株)などを経て、プロコーチ・研修講師として独立。2015年より銀座コーチングスクール代表。国際コーチ連盟(ICF)日本支部 顧問