JRLA Staff Blog
チームメンバーとの関係性を深めるには
チームメンバーとの関係性を深めるには
「メンバーの一人ひとりの力は決して低くはないが、チーム全体となると満足な成果が出せていない」と悩むリーダーも多いのではないでしょうか。
今回は、リーダーとフォロワーの関係に焦点を当てて、どのようにその関係性を深め、高い成果をあげられるようになるのかのヒントをご紹介したいと思います。
「人を助けるとはどういうことか」の著者であり、MITの名誉教授エドガー・H・シャインなどが書いた「謙虚なリーダーシップ 一人のリーダーに依存しない組織をつくる」には、リーダーとフォローワーが協力して、問題解決や高い成果を出すためのヒントが書かれています。
関係のレベル
著者はリーダーとフォロワーの関係について、4つのレベルに区別し、リーダーシップはレベル2あるいはレベル3で実践する必要があると説きます。
<関係のレベル>
レベル【-1】
全く人間味のない、支配と強制の関係
レベル【1】
単なる業務上の役割や規則に基づいて監督・管理したり、サービスを提供したりする関係
レベル【2】
友人同士や有能なチームに見られるような、個人的で、互いに助け合い、信頼し合う関係
レベル【3】
感情的に親密で、互いに相手に尽くす関係
謙虚なリーダーシップの磨き方
では、どのようにしたら、フォロワーとの関係性を深めていくことができるのでしょうか。著者は、3つのステップで推進していくことを説いています。
1)謙虚なリーダーシップの理解を深める書籍を読む
2)現在の関係を分析し、未来の関係を計画する
3)行動し、磨きをかける
1)については、本著の中に参考になる書籍が多数紹介されていますが、ここでは割愛し、2)についての一部をご紹介したいと思います。
現在の関係を分析し、未来の関係を計画する
自分が関係性を良くしたいと思う部分がどこにあるかを把握するために、仕事上の現在の関係性という観点から分析します。
まずは、大きめの紙の中央に自分自身を書き、その周囲に関係者の名前や肩書きを書きます。そして、それぞれから自分に向けて、関係の程度によって表せる太さの矢印の線を引きます。
それから、それぞれの相手との現在の関係を、「役割に基づいている」と思えば「レベル1」と、「個人的な関係に基づいている」と思えば「レベル2」と、「親密だ」と思えば「レベル3」と記入します。
そして、レベル2に分類した矢印に注目し、そのような個人的レベルへ関係を深めることになった、自分または相手の行動を別の紙に書き出します。そのような行動の共通点を突きとめ、どうすれば新しい上司、部下、あるいはチームメンバーとの仕事で活かせるかを考えてみます。
さらに本著では、3)について、マインドセットや行動の起こし方を詳しく解説しています。
まとめ
多くのリーダーシップに関する本に共通して書かれていることは、優れたリーダーは、部下やチームメンバーとの関わりにおいて、「役割」や「肩書き」の関係ではなく、「人」と「人」との関係性をつくり、互いが相手に深い関心をもつことで、個々の能力の総和を超えるチームワークや成果を引き出すことができるということです。
「一緒に働きたい」と言われるリーダーを目指す方に本著はおすすめの一冊です。
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林 英利
JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)代表理事。大和ハウス工業(株)、トヨタ自動車(株)などを経て、プロコーチ・研修講師として独立。2015年より銀座コーチングスクール代表。国際コーチ連盟(ICF)日本支部 顧問