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仕事における「守・破・離」とは?
仕事における「守・破・離」とは?
剣道や茶道などで、修行における段階を示した「守・破・離」。
これを仕事に置き換えると、どのようなものになるのでしょうか?
「言われなくてもやれる」という部下との接し方
あなたが組織におけるリーダー(マネジャー、プロジェクトマネージャー、プレイングマネジャーなど)であれば、メンバーの中には、(その経験やスキルがあなたよりも劣っているに関わらず)「言われなくてもやれる」とか「自分のやり方でやりたい」と主張する人もいるでしょう。仮に口に出さないまでも、行動でそれを示している人が少なからずいるかもしれません。
そんなメンバーに対して、あなたは何を感じていますか?
メンバーの中には、あなたが指示をしたり手本を示したりしなくても行動できる人はいるかもしれませんが、それが成果に結びつくものかどうかを考えると、いささか心許ないのではないでしょうか。
そんなメンバーに対して、あなたはどのような行動や指導を行っていますか?
組織のルールや風土、あるいは相手の性格などもありますから、一概にこれといった特効薬があるわけではないのでしょうが、私がお勧めするのは、対象者に「守・破・離」の原則を教えるというものです。
「守・破・離」とは何か?
ところで、「守・破・離」とは何なのでしょうか。
初めて耳にする人、聞いたことはあるが意味までは知らないという人、など、いらっしゃると思います。
「守・破・離」とは、以下のような意味があります(「デジタル大辞泉」より抜粋)。
剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。
「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階
「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階
「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階
現代のビジネスにも生きる「守・破・離」
これを現代のビジネスに置き換えれば以下のようになるでしょうか。
「守」は、先人が積み重ねてきた手法(基本)を徹底的に習得すること
「破」は、基本をベースにして、自分なりの工夫を重ねて良い方法を探すこと
「離」は、最終的に自分独自の手法やセオリーを生み出すこと
ビジネスとは異なりますが、かつてメジャーリーガーとして大活躍した鈴木一朗氏(イチロー)を例に取るとわかりやすいかもしれません。
彼のバッティングフォームは、プロ野球選手になった頃、「振り子打法」として一躍脚光を浴びましたが、何も幼少時代からあのバッティングフォームだったわけではありません。むしろ、幼少期に父親と毎日のように基本練習を繰り返し行ったからこそ、最終的にイチロー独自のバッティングフォームが身についたと言えるのです。
現代のビジネスパーソンもこの「守・破・離」の原則を徹底することで、結果的には自分の能力が向上し、ひいては組織の成果を生み出すキーパーソンになることは間違いないでしょう。
あなたがそんなキーパーソンを抱えるリーダーになっていただくためにも、「守・破・離」の原則を知り、メンバーに徹底させることをお勧めします。
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大石 典史
東証一部上場企業2社を含む4社で法人営業、コンサルタント職、人事総務等を経験。現在は、銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表、研修講師、パーソナルコーチを務める。国際コーチ連盟(ICF) 認定コーチ(ACC)。