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コーチングのコア・コンピテンシーとリーダーのあり方

コーチングのコア・コンピテンシーとリーダーのあり方

🕙 2020-06-12 06:00 👤 大石 典史

今回のJRLAブログでは、コーチングのコア・コンピテンシーを伝える講師の立場から、リーダーシップとの関係性について考えてみました。

リーダーに求められるコミュニケーションスキルとは?

リーダー(上司)は、組織の目的・目標達成のために、メンバー(部下)や自分のチーム、自分の上司や他のチーム、取引先や顧客など、数多くの人々と関わる必要があります。当然のことながら、そこには、相手や場面に応じたコミュニケーションスキルというものが求められます。

例えば、自分が上司という立場なら、部下に対してティーチングやコーチングスキルが、自分がプロジェクトをまとめるリーダーならファシリテーションスキルが、自分に交渉相手(取引先や顧客)がいるのであれば、そこにはネゴシエーションスキルが必要になるでしょう。

中でもコーチングは、部下育成に役立つだけでなく、ファシリテーションやネゴシエーションにも応用しやすい汎用性の高いコミュニケーションスキルと言われています。

コーチングのコア・コンピテンシーとは?

このコーチングは、私自身の専門分野であり、国際資格(国際コーチング連盟認定コーチ)も有しています。

この資格発行元である国際コーチング連盟(ICF)は、「コーチに必要とされる能力要件(コア・コンピテンシー)」として4つのカテゴリーと11の項目を定めているのですが、最近、私は、このコア・コンピテンシーを教える講師を務めることになったため、資格取得以来、じっくりこれを読み直すことになりました。

しばらく読み進めるうちに、あることに(しかし、とても重要なことに)気がつきました。それは、「コア・コンピテンシーの4つのカテゴリーと、リーダーのあり方との間には密接な関わりがある」ということです。

これは私にとって大きな気づきでした。以下にそのカテゴリーを掲げます。

A. 基盤を整える(SETTING THE FOUNDATION)

B. 関係性を共に築く(CO-CREATING THE RELATIONSHIP)

C. 効果的なコミュニケーション(COMMUNICATING EFFECTIVELY)

D. 学びと結果を促進させる(FACILITATING LEARNING AND RESULTS)

上記の4つのカテゴリーについて、ICFでは「順番や優劣はない」としていますが、リーダーが自身のリーダーシップを鍛える上では、個人的には、このABCDの順番を意識する必要があるのではないかと感じています。

以下に詳しく見ていきたいと思います(ここでは、コア・コンピテンシー内の11の項目にも触れながら説明したいと思います)。

A. 基盤を整える(SETTING THE FOUNDATION)

リーダーには、リーダーとしての自覚と自信を持つことが求められます。そのためには、リーダー自身が自己理解をし、それを肯定的に受け止め、周りに自己開示できるような自己の“強さ”が求められます。

B. 関係性を共に築く(CO-CREATING THE RELATIONSHIP)

リーダーが部下を育成する上では、ティーチングにせよコーチングにせよ、それらのスキルが効果的に発揮できるための前提条件として、彼らとの間に信頼関係を築くことが求められます。

C. 効果的なコミュニケーション(COMMUNICATING EFFECTIVELY)

リーダーが部下との間に信頼関係を築けたら、その次は、部下の話をしっかりと聴き(傾聴)、その上で部下の考えを引き出したり(質問)、リーダーの言葉を伝えたりする(フィードバック)ことが有効です。

D. 学びと結果を促進させる(FACILITATING LEARNING AND RESULTS)

リーダーには、部下の伴走者として、さまざまなスキルを活用しながら、部下が行動における目標設定やその計画、また、行動することに責任を持たせる役割が求められます。

まとめ

いかがでしょうか。

このように見てくると、コーチングとリーダーのあり方には、やはり切っても切れない関係性が成り立つと言っても過言ではないでしょう。

また、これらは、あなたのリーダーシップ力を測定する上で適切な指標にもなる、と言えるでしょう。

大石 典史

東証一部上場企業2社を含む4社で法人営業、コンサルタント職、人事総務等を経験。現在は、銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表、研修講師、パーソナルコーチを務める。国際コーチ連盟(ICF) 認定コーチ(ACC)。