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「未来が描けない」という部下への接し方

「未来が描けない」という部下への接し方

🕙 2020-06-24 06:00 👤 林 英利

1on1ミーティングやコーチングを導入する企業が増えていますが、型どおりに進まないケースに頭を悩ましているリーダーも少なくないようです。


意外と多い?「どうなりたいか分からない」


部下との1on1ミーティングやコーチングの中で、部下自身の将来の目標や「ありたい姿」を描くサポートを行うこともあるでしょう。

部下がそうした未来を描くことにより、自分の目標と日々の業務の関連性を見出し、やる気が高まることで、行動量が増えたり、高い成果を上げられるようになります。

しかし一方で、中には、「将来のことを想像できない」とか、「どうなりたいか分からない」という部下もいて、困ってしまった、という経験はないでしょうか。

リーダーや管理職になる人は、ビジョンを描いたりすることが得意な人が多いと思いますが、一般職である部下の中には、そうした経験が少なかったり、中には資質的に得意ではない場合もあります。

では、そのような部下に対して、どのようにサポートすると良いのでしょうか。


「未来が描けない」という部下への接し方


1)過去の経験からヒントを探す

1on1ミーティングなどの会話の中で、「これまでの仕事の中で、やりがいを感じたり、嬉しさや楽しさを感じた経験を聞かせてもらえない?」などと質問してみることも有効です。

中には、「ありません」と即答される場合もあるかもしれませんが(苦笑)、簡単に引き下がらずに、「あえてあげるとすれば?」と尋ねてみるのも良いでしょう。

このように、過去の経験の中からヒントを見出し、それを参考にして現在の環境を整えることで、本人が業務に取り組みやすくなる場合もあります。


2)将来を描くトレーニングを行う

ただ単に、未来を描く経験が少ない場合は、トレーニングを行うことで能力を高めることができます。

仕事に関することが難しければ、プライベートに関することや、趣味などについて、夢や希望などを聞き出してみるのも良いでしょう。

慣れてきたら、徐々に仕事に関連した話に切り替えていき、「仕事でどんな結果が得られたら嬉しいか?」とか、「会社や仕事を利用して、何をしてみたいか?」などの問い掛けも有効になる場合もあります。

将来や目標を描く上では、具体的であることが大切だと言われていますが、初めのうちは、抽象的であっても良いと思います。どのような目標も、最初は抽象的な状態からスタートし、磨かれていくものだと思います。


まとめ


部下のやる気の高め方について記してきましたが、未来の話にしても、過去の話にしても、部下が心を開いて話せることが大切です。

そのために、普段から部下の話に耳を傾け、関心を持って聴く姿勢が求められます。


林 英利

JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)代表理事。大和ハウス工業(株)、トヨタ自動車(株)などを経て、プロコーチ・研修講師として独立。2015年より銀座コーチングスクール代表。国際コーチ連盟(ICF)日本支部 顧問