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「現場ではコーチングを上手く使えない」リーダーへ捧げる言葉
「現場ではコーチングを上手く使えない」リーダーへ捧げる言葉
ビジネスリーダーがよく口にする「現場ではコーチングを上手く使えない」という言葉。
果たして本当にそうなのでしょうか?
ビジネスリーダーが抱える課題とは?
すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、私は当協会の理事を務める傍ら、コーチングスクールの拠点代表者・講師も務めています。
講師の仕事とは、一言でいえば、コーチングのスキルを伝える(教える)こと。具体的には、コーチングの概要から基本スキル、また、基本スキルに基づく会話モデルなどをお伝えしています。
受講者の属性は、大手・中堅企業で活躍するビジネスリーダー(経営者や管理職の方)、師士業(医師、看護師、弁護士、中小企業診断士、保育士など)の方、個人事業主(コンサルタント、カウンセラー、コーチなど)の方などです。
私の活動エリアやバックグラウンドも関係していると思いますが、受講者の実に5割強がビジネスリーダーの方々です。
そんな方々が、コーチングスキルを習得するにつれ、一様に抱える課題とは、「現場ではコーチングを上手く使えない」というものです。
「現場ではコーチングを上手く使えない」は本当か?
この理由を説明する前に、コーチングの本来のあり方について説明しておく必要があります。
コーチングの原則は、一般的に、クライアント(コーチングを受ける人)がコーチ(コーチングを行う人)のガイドに基づき、話すテーマや「ありたい姿(目標)」を決め、その達成に向けてプロセス行動を考えていく、というものです。
また、それを実現するためには、コーチは「クライアントの可能性を信じる」「クライアントの中に答えがある」といったコーチングマインドを常に発揮することが求められます。
一方で、ビジネスの現場ではどうでしょうか?
「コーチングを上手く使えない」と言われるビジネスリーダーの多くは、以下のような悩みを吐露しています。
「組織としての目標や上司の期待がある中で、部下本位の目標設定をしてもらうことは難しい。」
リーダーにしてみれば「クライアントの中に答えがある」というコーチングマインドを理解しつつも、一方で、現場には「組織や上司の答えもある」わけですから、このような悩みを抱えることは無理のないことなのかもしれませんね。
現場でコーチングを上手く活用するために
上記の発言に対する私の回答は以下のとおりです。
① 目標設定については組織や上司のそれに準じて、部下なりのプロセス行動を考えてもらう
コーチングスキルは何も「目標設定」時のみに使うだけのものではありません。その後に続く「プロセス行動」を部下に考えてもらう際に、コーチングスキルの「質問」は大いに役立ちます。
② 組織の目標を踏まえた上で、部下個人の(小さな)目標設定をしてもらう
組織の目標を一段ブレイクダウンした個人目標を設定することは現実的ですし、達成する可能性も高くなります。この時大切なことは、部下と上司が納得いくまで協議し、合意形成を図るということです。ここでは、上司のコーチングマインドが問われます。
このように考えると、「現場ではコーチングを上手く使えない」状態から、一歩抜け出すことができるのではないでしょうか。
もし、あなたがこれと同じような課題を抱えているのでしたら、ぜひ実践してみることをお勧めします。
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大石 典史
東証一部上場企業2社を含む4社で法人営業、コンサルタント職、人事総務等を経験。現在は、銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表、研修講師、パーソナルコーチを務める。国際コーチ連盟(ICF) 認定コーチ(ACC)。