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部下育成にはティーチング? コーチング?
部下育成にはティーチング? コーチング?
管理職の方から、「部下を育成する上では、コーチングが良いのか? それともティーチングが良いのか?」とご質問いただくことがよくあります。結論を言えば、「どちらも必要」です。
以下のような場面において、コーチングとティーチングを使い分けることが大切です。
ティーチングとコーチングの使い分け
では、ティーチングとコーチングをどのように使い分けたら良いのでしょうか。
一般的に、知識や経験が少ない新入社員などに対しては、会社の方針や目標、業界の慣習、業務の進め方など、情報として教えなければ分からないことは、「ティーチング」で教育する必要があります。
一方で、それらを教育した上で、「あなたは、どんなことにチャレンジしてみたい?」と引き出したり、いくらか経験をさせた上で、「やってみてどのようなことを感じた?」とか、「次にもっと良い結果を出すためには、どのような工夫ができる?」などとコーチングを使って、相手の中から考えや答えを引き出し、行動を促すことができます。
新入社員が知識や経験を増やしていくことで、ティーチングよりもコーチングの割合を増やしていくと良いでしょう。
また、コーチングは「急がないが重要なこと」に活用することが有効で、急がないが故に後回しになってしまうことについて、定期的にコーチングの会話の場をもち、継続的にサポートすることで、部下の成長が促されていきます。
1on1ミーティング
コーチングを会社組織の中で有効に活用する方法として、「1on1ミーティング」があげられます。1on1ミーティングは数年ほど前から、日本の企業でも採用されるようになった面談手法です。
この1on1ミーティングが従来の「個別面談」と大きく異なる点は、「部下を主体とした時間であること」や、「様々なスキルを活用して行う」点などがあげられます。
前者について、話したいテーマを用意するのは部下自身であり、上司は基本的に部下の話を聴くことに徹し、話や気づきを引き出すために質問をしたりフィードバックを行ないます。また、部下から求められた時にはティーチングも行いますが、ミーティングを通じて部下の「経験学習」を促すことに重点をおきます。
ここで注意したいことは、「フィードバック」とは、いわゆる「ダメ出し」のことではなく、上司が部下に接する中で感じたことを伝えることであり、例えば、「最近の●●君は、以前より周囲とのコミュニケーションを多くとるようになったね。」とか、「色々な人の意見を聴いてみると、より視野が広がると思うよ。」などと、部下の状態や変化など、上司が感じたことを伝えることを言います。それにより、部下は「上司が成長を見守ってくれている」と感じ、部下のやる気を持続させることに役立ちます。
まとめ
このように、会社組織の中では、ティーチングとコーチングをうまく使い分けながら、部下の成長を促します。行動のための必要不可欠な知識をティーチングで教え、その上で、考えたり、行動したり、振りかえりをさせたりすることにコーチングが活用できます。
これらの取り組みを行なっていく上で、上司自身にもコーチングが有効と言えるでしょう。
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林 英利
JRLA(一般社団法人 日本リレーショナルリーダーシップ協会)代表理事。大和ハウス工業(株)、トヨタ自動車(株)などを経て、プロコーチ・研修講師として独立。2015年より銀座コーチングスクール代表。国際コーチ連盟(ICF)日本支部 顧問